松樹山、西善寺。大阪府大阪市福島区、真宗興正派のお寺です。

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2017年1月アーカイブ

2017年1月の法話

[1月の法語]

無明(むみょう)の闇(あん)を破(は)するゆえ 智慧光仏となづけたり

The light dispels the darkness of ignorance.

Thus, Amida is called "Buddha of the Light of Wisdom."

[法話]

人は皆、何よりも「自分の思いは間違いない」という根性で生きています。しかし、日常の生活の中で、そのことはあまり意識されません。

 

結婚すれば夫のために、子どもが生まれれば子どものために、そして家のために。振り返れば、そうやって常に誰かのために、と思ってやってきたのではないでしょうか。 「夫のために」「子どものために」という言葉の裏には、「妻がついておりながら」と言われないよう、「あの子のお母さんは」と陰口を言われないよう、「家のため」とは、「あの奥さん、よくやっている」という誉(ほ)め言葉を先取りしていたように思います。

 私の行動のすべてが、実に私一人を護るための、自分の思いの裏返しでありました。

 

それなのに、自分の行為が、自分の思ったように評価してもらえないと、世間から孤立しているように落ち込んだり、世間が悪意に満ちているように感じたり...。

 

そんな時、人は癒しを求めたり、いわゆる宗教に助かる術を求めるのではないでしょうか。

 

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今年の法話(2017年)

[表紙の法語]

仏恩ふかくおもいつつ つねに弥陀を念ずべし

Reflecting deeply on the Buddha's benevolence, let us think on Amida always.

[法話]

今年の法語カレンダーは、親鸞聖人の三帖和讃(さんじょうわさん)から選ばれています。「三帖」とは「浄土和讃」(百十八首)、「高僧和讃」(百十九首)、「正像末(しょうぞうまつ)和讃」(百十六首)の三部の和讃集のことです。「和讃」とは、親鸞聖人が「和讃」という言葉の横に「ヤワラゲホメ」(国宝本)と書かれているように、阿弥陀さまのご法義(=仏教の教義)をわかりやすく、和(やわ)らげて讃嘆(さんだん=仏・菩薩の徳をほめたたえること)された、四句から成る「うた」です。「正信偈」を拝読(はいどく)する時、最後に六首続く、あの七五調のうたが和讃ですね。

 

全部でいったいいくつあるのかと言いますと、三帖和讃だけで計三百五十三首、他のものまで合わせると、総計五百四十首以上にも達します。和歌や俳句を愛好されている方でも、なかなかここまでの数には及ばないのではないでしょうか。

 

それに、他の方が詠(うた)われた和讃の多くは、美しい言葉を駆使(くし=自由に使いこなすこと)してさまざまな情景を表現したものが多いのに対し、親鸞聖人の和讃は端から端まで、それはもう見事にご法義のことばかりです。さすがですよね。三帖和讃を指して「和語の教行信証(きょうぎょうしんしょう)(※)」と言われるゆえんもそこにあります。

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