ご挨拶

　当西善寺は創立の由来が鎌倉時代までさかのぼり、現住職の私で第二十三世となります。またビジネス街の中心地である梅田、中之島にほど近い場所に位置しております。

　本堂は1945年（昭和20年）3月、太平洋戦争の空襲により焼失しましたが、先代、先々代の住職をはじめ多くの方々のご尽力により1978年（昭和53年）に再建しました。檀家様方に参詣いただく場所を畳ではなく椅子席にしたのは当時としては珍しく、洋式化が定着した現在を見据えていたように思われます。この年の11月に落慶法要があり、当時高校生であった私は初めて僧侶として出勤しました。それからちょうど30年後の2008年（平成20年）5月に継職法要にて、住職として迎えていただいて以来、現在まで至っております。この30年余の間、思い起こせば本当にたくさんのご縁、人と人とのつながりの中で生かされてきていること、温かい目と大きな心で育てていただいたこと、本当に「ありがたいなぁ」と日々感謝している次第です。

　浄土真宗の祖、親鸞聖人のみ教えに「御同朋（おんどうぼう）御同行（おんどうぎょう）」という言葉があります。阿弥陀さまの前では僧侶も門信徒（浄土真宗の信者）も「お念仏の教えをともに喜びいただいていく」ともがら、同朋であり、「お念仏の教えの道をともに歩んでいく」同行ということを示しています。聖人のみ教えに学び、門信徒の方々、一般の方々とご一緒に成長していきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

　松樹山　西善寺　住職　藤原弘慧