松樹山、西善寺。大阪府大阪市福島区、真宗興正派のお寺です。

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2014年7月アーカイブ

2014年8月の法話

[8月の法語]

 

拝まない者も おがまれている 拝まないときも おがまれている

 

東井 義雄(とういよしお) 『東井義雄詩集』(探究社)より

 

[法話]

今月は東井義雄(とういよしお)氏の言葉です。氏は、1912(明治四十五)年に、兵庫県の本願寺派東光寺の長男として生まれました。教員を目指して師範学校に進み、卒業後は地元の小中学校に教員として勤めます。その戦前戦中の時代の中で、「いきているつもりがいかされている」といういのちの教育に目覚めていき、多くの教育関係の書物を出版していきます。終戦の時から約10年ほどは沈黙していますが、44歳以後、多くの出版物を通して、終生子どもとともにありたいと願う氏の教育への考えを伝えていきます。その理念は「一番より尊いビリだってある」という信条にもとづくものです。

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2014年7月の法話

[7月の法語]

本当の相(すがた)になる これが仏(ぶつ)の教えの目的である

 

暁烏 敏(あけがらすはや)

 編集:福嶌和人/太田清史 『魂萌ゆ』より

 

[法話]

『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』(註1)「教巻」の冒頭で親鸞聖人は、「それ、真実の教を顕(あらわ)さば、すなわち『大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)』(註2)これなり」と、真実の教えとは『大無量寿経』であると仰(あお)いでおられます。そして『大無量寿経』とは、お釈迦さま(釈尊)が、この世に出られた事の意義(出世本懐(しゅっせほんがい))を説かれる経典です。

 

『正信偈』のなかに、「如来所以興出世 唯説弥陀本願海」と親鸞聖人が讃(たた)えておられるように、釈尊が私たちの濁世(じょくせ=濁り汚れた世、人間の住む世界)にお出ましになられた理由は、唯(た)だ阿弥陀仏の本願のはたらきを知らせるためなのです。つまり、釈尊個人の能力や人格がどれほど優れていようとも、それは仏教の教えとは関係なく、釈尊を釈尊たらしめている本願のはたらきこそが、私たちにとって尊い教えであることを、親鸞聖人は繰り返し私たちに明らかにしてくださっているのです。

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