2014年6月の法話
[6月の法語] 深い悲しみ 苦しみを通してのみ 見えてくる世界がある 平野 恵子(ひらの けいこ) 『子どもたちよ、ありがとう』(法蔵館)より |
[法話]
今月のことばは、平野恵子(ひらのけいこ)さんの『子どもたちよ、ありがとう』からです。彼女は、飛騨高山にある浄土真宗の寺院の坊守(ぼうもり)(住職の妻)でした。三十九歳の時、正月を迎えるために本堂の荘厳(しょうごん=仏具、法具などを飾ること)などをしている最中に吐血しました。腎臓ガンだったのです。それから二年間の闘病生活の後、1989(平成元)年に往生されました。この本は、その二年間において、子どもたちを通して彼女が「人として育てられる尊さを知っていく」姿を手紙の形式で綴(つづ)られたもので、三人の子どもたちへの遺言でもあります。
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