2014年5月の法話
[5月の法語] きのう聞くも 今日またきくも ぜひに来いとの およびごえ お軽(おかる) 『わかりやすい名言名句―妙好人のことば』より |
[法話]
素直でないと言われ続け、素直になれば聞こえると諭(さと)され、やみくもに素直らしきものになろうと苦労して、気がつけば僧侶になって三十年。
ある日、隣村のお講(こう=神仏を祭り、または参詣する同行者で組織する団体)のお斎(とき=法要その他仏事の参会者に出す食事)で、古い諺(ことわざ)を耳にして衝撃をうけた。「栗の木柱と後生願い(ごしょうねがい=阿弥陀如来に帰依して極楽往生を願うこと)に、まっすぐなもんはない」。そういえば妙好人(みょうこうにん)の特徴は世間でいう優等生でないことである。生きざまの下手なこと、はからい(=自分の力で何とかしようとする心)の強いことが転じて徳となる。長門国(山口県) 六連島(むつれじま)のお軽(1801~1857)もそうであった。
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