2017年10月の法話
[10月の法語] ねてもさめてもへだてなく 南無阿弥陀仏をとなうべし All should say Namo Amida Butsu constantly, whether they are awake or asleep. |
[法話]
もう二十年近く前に往生した私の祖父ですが、生来(せいらい=生まれつき)耳が遠かったのと、マイクのない時代に育った布教使(ふきょうし=宗教を広めるために派出される人)ということもあってか、とにかく人並みはずれて声が大きい。その声でよくお念仏をするのです。相撲を見ながら「ナンマンダブ」、トイレから戻ってきて「ナンマンダブ」、立ち上がる時「どっこいしょ」と言わずに「ナンマンダブ」。いちど、二人で飛行機に乗った時も、座るやいなや大きな声で「ナンマンダブ」です。その時ばかりは、一斉に周りから痛いほどに視線が刺さってきて、私は恥ずかしさのあまり、思わず他人のふりをしてしまいました。何でこんなにお念仏をするのか、私は小さい頃、不思議で仕方ありませんでした。
さて、今月のご和讃(わさん=仏の功徳をほめたたえる歌)をすべて示せば、次の通りです。
弥陀大悲(みだだいひ)の誓願(せいがん)を ふかく信ぜんひとはみな
ねてもさめてもへだてなく 南無阿弥陀仏をとなふべし
(『註釈版聖典』六〇九頁)
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