2015年4月の法話
[4月の法語] 出会わねばならない ただひとりの人がいる それは私自身 廣瀬 杲 同朋選書8『真宗入門 『歎異抄』のこころ』 東本願寺出版部より |
[法話]
ある時、知り合いの住職からいただいた葉書に「なにも足さない。なにも引かない」という言葉が書いてありました。すっきりしたいい言葉だなと思った後で、何だか自分がはずかしくなるような気持ちも起きました。どこかの妙好人(みょうこうにん=行状の立派な念仏者。特に浄土真宗で篤信の信者をいう)の言葉かと思っていたら、これはウイスキーの宣伝のコピーだと知り二度びっくり。つまり、余分な物を加えたり、薄めたりしていない、素材そのものだけで作っているということなのでしょう。
それに比べて自分を振り返ってみると、ほとんどいつも足したり引いたりしていることに気づかされます。粗末な自分は足し算し、愚かな自分は引き算して自分を見ています。自分に出会うというのはどういうことなのでしょう。
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